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立正幼稚園

やさしい心 たくましい体 すなおに育つこどもたち

更新日:2012年03月09日18:59:05

3月9日(金)  3枚のおふだ  

雨が続き、寒さもラストスパートをかけています。
「暑さ寒さも彼岸まで」と言う日本の慣用句通り、寒さもお彼岸までのようです。

この慣用句の意味を転じて、辛いことも時期がくれば去っていくという意味の
ことわざとしても用いられることがあります。

さて、本日のお知らせのタイトルにもありますように、今朝のマイク放送の
お話は「3枚のおふだ」でした。

【3枚のおふだ】
あるお寺にいたずら好きの小僧さんがいました。この小僧は和尚さんがお経を読んでいても
居眠りをしたり、掃除をさぼったりしていました。
夏が過ぎ、秋になった頃、小僧はお山に栗を拾いに行きたいと言い出しました。

和尚さんは「山には怖いやまんばが出るからやめておきなさい」と忠告しますが、全然
聞こうとしません。「そんなに行きたいのなら、これを持って行きなさい」と小僧に
3枚のおふだを渡しました。「きっとおふだが助けてくれるだろう」

小僧は意気揚々と栗を拾いに行きました。夢中になって栗を拾っているとあたりはすっかり
暗くなってしまいました。すると、ガサガサという音がし、後ろを振り返ると
怖いやまんばが立っていました。

「ひぇーーー」
小僧はやまんばにつかまってしまいました。やまんばのそれはそれは怖いこと、
あまりの怖さに小僧はトイレに行きたくなり、やまんばにお願いすることにした。
「トイレだと。まあまあ、くさい子どもを食べるのは嫌だから、行って来い」と言われ、
小僧はすぐさまおふだを取り出し「おいらの代わりに返事をしておくれ」とお願いしました。

やまんばが「小僧まだか」と尋ねると、おふだは「まだだよ」と答えました。
その隙に、小僧はトイレの裏から逃げました。
やまんばは、しだいに怪しく思い、小屋を壊してみると、小僧の姿はありませんでした。

足の速いやまんばは、逃げた小僧を追いかけてあっという間にすぐそばまでやって来ました。
小僧は2枚目のおふだを取り出すと「大きな川を出しておくれ」とお願いしました。
たちまちやまんばの目の前に大きな大きな川が現れました。
しかし、やまんばはあっという間に川の水を全て飲み干してしまいました。

小僧はあわてて走り出し、最後のおふだを取り出しました。「今度は大火事を出しておくれ」
やまんばの周りは火の渦になりました。ところがやまんばは、先ほど飲み干した川の水で、
見る見るうちに火を消してしまったのです。

小僧は、すんでの所でお寺に戻り「和尚さん、助けてください。もう悪いことはしません。
やまんばに食べられてしまう。」と門を叩きました。
すると中から和尚が門を開け、小僧を中に入れました。そこへやまんばがやって来て、
「やい和尚、小僧はどこだ。出さないとお前を食べてやる」と和尚に言いました。

和尚は「お前は何にでも変化できると聞いたが、それは本当か。もし私の言ったものに
変身できたとしたら、小僧を出してやろう」と答えました。
やまんばは「お安い御用だ。ライオンにもクマにでも変化してやろう。何がいい。」
和尚はにっこり笑い「お饅頭は無理じゃろう」と聞きました。
やまんばは「何にだってなれるわい」とあっという間にお饅頭になりました。
和尚さんは美味しそうなお饅頭をヒョイと持ち上げ、一口でぱくりと食べてしまいました。

それからというもの、小僧は和尚さんのお約束をしっかり守る、立派なお坊さんになったそうです。