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高戸地区にある高萩霊園内の四阿(あずまや)の隣に万葉集の「手綱(たづな)の浜の歌」の歌碑が建っています。これは高萩市文化協会の25周年記念事業として建立したもので、揮亳は当時の文化協会長の笠谷喜之助氏によるものです。
「遠妻し 高にありせば 知らずとも
手綱の浜の 尋ね来なまし」
というこの歌の意味は、「遠くにいる妻が、せめてこの多珂の里の付近にでもいたならば、道はよく知らなくても手綱ノ浜で尋ねて来ようものを」(折口信夫訳)となります。
「手綱ノ浜」というちょっと変わった固有名詞が、尋ねるという意味に重なるところが面白い歌とされています。
また、この歌碑のすぐ下からは、万葉の道が伸びています。海を見下ろす崖の上を歩くこの道は約1キロメートル。途中の開けた場所からは、砂浜が弓状に伸びるささき浜とその向こうに北茨城市の海岸を望むことができます。
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